2020S 必須課題 の成績評価を終えて
非常に多くの学生に取り組んでいただき、感謝しています。様々な考えや状況を知ることができ、大いに勉強になりました。
「成績評価においては、法的な文章を読み・書くのに慣れ、意味が明瞭で読みやすい文章を書けているか否かが、最も重要な考慮要素となります。また、内容の具体性、どのくらい考えて書いているか、なども重要な考慮要素となります。」
「些細な誤記や、法律文書の約束事とは異なる表記(送り仮名や条・項・号の表記など、文章の意味に大きく影響しないもの)は、減点対象とはしません。」
今回の必須課題の場合、
①における「接したもの」に関する内容説明を前提として②で求められたことを展開しているか、ということが重視されることになります。法に対する見方が変わったとするポイントにおいて、その前の自分はどうであったのか、①で説明したもののどういった側面に接してどのように変わったか、ということが自然に説明されている文章を高く評価しました。なぜそのような変化が生じたのか、を論ずるに際しては、接する前において異なる見方をしていたのはなぜか、を説明することが有効となる場合もあるでしょう。
以上のような基準で高く評価された解答のなかには、身近なデータを用いて説得的に論じたものや、感嘆するような名文で自分の心象を解説したものもありましたが、授業で取り上げた素材を中心に普通に論じたものも含まれました。
他方で、今後のため、例えば、次のようなこともお伝えしたほうがよいかもしれません。
②でも資料等の内容を延々と説明するのは、①で内容を説明することになっていることを考えると、形式的にも出題趣旨にあまり合致しませんし、内容的にも、上記のような高く評価された解答が持つ性質の入り込む余地を減らしてしまったように思います。
高く評価された解答は、いずれも、①で内容を説明した資料等や、更に調べたものを、論述のなかに有機的に取り込んでいた点で、共通していたように思います。よく言われるように、「事実と自分の意見は区別せよ」ではあるのですが、それは、調べたことについて延々と紹介し、自分の変化について冒頭と末尾に取って付けたような解答としてください、ということではありません(以下、このような解答を単に「取って付けたような解答」と言います。)。そのような解答が極めて多数、みられました。
授業で取り上げた資料等も、取り上げていない資料等も、もちろん、同等に取り扱いました。ただ、
授業で取り上げていない特定の資料等が、複数(2件や3件というわけではない数)の解答に登場するということが、何種類かの資料について、みられました(特に②で、更に調べた資料として)。これは、シケタイ等を含む皆さんの情報共有等の努力の賜物であるかもしれず、いずれにしても、そのようなものに接したというだけで低く評価した、ということは全くありません。ただ、そのようなものを掲げている解答は、概して、上記のような「取って付けたような解答」である場合が多かったように思います。そのことも踏まえて、今後のレポート執筆などに取り組まれるとよいのではないか、と感じました。全てがそうであったというわけではない、ということは、重要ですので改めて繰り返します。